ファントムバローズ　Phantom Barows　　牡　３歳　　※中央競馬　登録抹消

父エピファネイアはオークス馬シーザリオの子としてデビュー前から評判を集め、デビュー3連勝でラジオNIKKEI杯2歳Sを制覇。翌春は皐月賞、日本ダービーと連続して2着に泣きましたが、秋の菊花賞で悲願のクラシック制覇を成し遂げます。4歳時のジャパンCでは、ジャスタウェイに4馬身差をつける圧勝。前進気勢が強すぎる面もありましたが、うまくコントロールできたときに発揮するパフォーマンスは圧巻のものがありました。種牡馬としては現3歳世代が初年度産駒で、いきなり無敗の3冠牝馬デアリングタクトを送り出すなど、上々のスタート。他にも、菊花賞2着、AJCC勝ちのアリストテレスなど重賞での活躍馬が出ており、2世代目からも皐月賞馬エフフォーリア、ホープフルS2着のオーソクレースが出るなど、さらなる大物の出現も期待されます。JRAでの勝ち上がりは圧倒的に芝が多くなっていますが、父シンボリクリスエスがダートの一流馬を出していることを考えれば、今後はダートの活躍馬を送り出す可能性も十分にあるでしょう。

母系を見ますと、母ルージュバローズはJRAの新馬戦で2着となり、のちに門別で1勝。叔父のペプチドバンブーは今年の名鉄杯を勝つなど、芝、ダートを問わずに活躍しています。祖母シャペロンルージュも芝の短距離で4勝を挙げた活躍馬。近親には4勝を挙げたノボリデューク、ノボリドリームや、名古屋で重賞勝ちしたスウィングダンスなどがおり、堅実駆けする一族。溯れば、米G1シャンペインSなどを制して種牡馬になったエイピーヴァレンタインなど、多くの活躍馬、種牡馬が出ているファミリーです。

本馬は2021年4月3日に阪神芝1800mの3歳未勝利戦でデビュー。互角のスタートから無理せずに馬群の後方につけ、馬の後ろに入れて折り合って運びました。勝負どころでペースが上がってからの反応、手応えも良く、直線は大外まで持ち出してスパートし、18頭立ての8着まで追い上げてゴール。ステッキに反応してフラフラするような子供っぽさを見せながら、メンバー中3番目に速い上がりタイムをマークしており、着差的にも0秒7しか負けておらず、経験馬相手の初戦だったことを考えれば上々の内容だったと言えるでしょう。
同じ舞台の2戦目は初戦よりも上手にスタートを切って中団馬群の中を追走。3、4コーナーは内に入れて運びましたが、勝負どころで一瞬手応えが鈍って後退してしまい、直線で外に持ち出してからもう一度エンジンがかかって17頭立ての11着でゴールしています。
3戦目は小倉芝2600mの1勝クラス、タイランドCに格上挑戦。道中は最後方を追走し、勝負どころで追い上げる脚を見せましたが、直線は伸びきれず最下位の10着に終わっています。相手関係も考えれば、これは仕方のないところでしょう。
前走時で424kgと牡馬にしては小柄で、そのぶん非力なところもあり、デビューから芝を使ってきました。デビューが遅れたように、全体的に成長がゆっくりで、まだ力をつけきっていない部分もあるでしょう。母系を見てもダートの適性はあるはずで、現状では砂質が軽い馬場のほうが向いていると思われますが、これから心身ともに成長していくことで、そのあたりも解消されていくでしょう。多少口向きの悪いところも、今後キャリアを積んでいくことで矯正されていくと思われます。
父エピファネイア、母の父ディープインパクトというスケールの大きな配合ですし、初戦では経験馬相手に能力の一端を示しました。馬が完成されてくれば、かなりの活躍を見込んでいいのではないでしょうか。
なお現在、両前脚（特に左前脚）にソエが出ておあり、速歩の際に少し違和感があります。現状渡しのノークレーム、ノーリターンでお願いいたします。記載事項に関するキャンセルには応じられません。


※南関東4競馬場への転入はできません。

※島上牧場（滋賀県栗東市荒張）に在厩しており、預託料は7,700円/日（税込）です。
7月24日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：猪熊　広次