タマモキサキ　　牡３歳　　※中央競馬　登録抹消

父クリエイターⅡは初勝利までに6戦を要したものの、アーカンソーダービーで最後方から直線一気の追い込みを決めてG1初制覇を達成すると、日本からの遠征馬ラニも出走していたベルモントSでは、ゴール前での競り合いをハナ差制して最後の一冠を奪取。トラヴァーズSでアロゲートの7着に敗れたのを最後に現役を引退、日本にて種牡馬入りとなりました。初年度は85頭に種付けを行い、2020年より産駒がデビュー。クインズバジル（ポプラ特別）、レイクリエイター（駒場特別）、メイショウイジゲン（高砂特別）が準OP入りしており、マツリダジョオーが水沢重賞・金杯で3着。セカンドクロップにあたるリコーヴィクターが門別のサッポロクラシックCをレコードで快勝して重賞制覇を果たし、JBC2歳優駿、東京ダービーともに3着と好走、パピタが名古屋重賞・中京ペガスターC2着、東海ダービーで3着、フィリオデルソルが大井重賞・優駿スプリントで3着にきています。米チャンピオンサイアーTapitを父に、ペルーの2歳・3歳・古牝馬チャンピオンを母に持つ優秀な血統背景も大いなる魅力と言えるでしょう。

一方、母系を見ますと、半兄タマモアポローン、半姉タマモヒメギミともに中央で3勝、半兄タマモジュニアが園田で9勝を挙げるなど、きょうだい5頭すべてが勝ち上がっています。祖母ヒトリムスメは中央のダート短距離で3勝を挙げ、芝のマーガレットSでも3着となった快速馬で、そのきょうだいも5勝を挙げたタマモゴーアヘッドや平地3勝・障害1勝を挙げたタマモゴーアップなどがおり、米国で走ったおじのPolar RouteはG2マーヴィンリロイHの3着馬です。近親にも米国の重賞勝ち馬や種牡馬が多数出ており、スピード色豊かな一族となっています。

2023年12月10日の中京・2歳新馬（ダ1400m）でデビュー。スタート自体はまずまずだったものの、外の馬に寄られて進路が狭くなる不利があって後方へ下げざるを得ませんでした。さらに芝スタートもあまり向かなかったようで、ダッシュが一息。ダートに入ってから行きっぷりが良くなったことでも、そのことが窺えました。さらに3～4コーナーで上がっていく時の脚色には光るものがあり、直線で上位進出に期待がかかる走りっぷりでしたが、直線入口付近で、1番人気馬に内から外へ弾かれるようにぶつけられ、さらに外にいた馬には前に入られる始末。これに馬自身もだいぶエキサイトしている場面が見られるなど、大事なところでスムーズさを欠いてしまったことが響きました。結局、この馬なりに盛り返したものの7着まで。直線入口の出来事がなければ、掲示板は十分あったと思います。

初戦を見て、もう少し距離があった方が競馬がしやすいと思い、続く2戦目は今年2月10日の小倉・3歳未勝利牝（ダ1700m）。1枠1番からスタートを決めて、中団のインコースをキープすると、向こう正面半ほどまでは特に問題なくいい感じで追走していましたが、ペースが上がり、前を走っていた馬との間隔が広がると、もろにキックバックを被ってしまい、本馬も頭を上げて嫌がる素振りを見せていました。そしてズルズルと後方に下がってしまうと、結局そこから盛り返す余力はなく、結果11着となりました。また、2ヵ月の間隔を空けたにもかかわらず、馬体が成長していなかったどころか、体重を10㎏も減らしていました。小倉への長距離輸送の影響もあったかもしれませんが、線の細いところが思うように解消されていないことは、残念なところでもありました。

本馬の現状を考えると、1700m以上は必ずしも歓迎材料とは思えなかったことから、3戦目は再び短距離にシフトチェンジ。先週4月14日の阪神・3歳未勝利牝（ダ1200m）に出走しました。危惧された馬体面はさらに減って412kg。牝馬限定戦だったとはいえ、華奢なイメージはぬぐえませんでした。レースではスタートのタイミングがきれいに合い、素晴らしい発馬を見せてくれましたが、さすがにこの距離ともなると、テンのスピードに秀でた馬が多く顔を揃え、間髪入れずに彼女たちが前へ。初距離の本馬にはついていくのが難しく、後方に控える形となりました。また、3～4コーナーの勝負どころから直線に入っても、先行勢の脚色が衰えず、結局本馬に限らず、後方にいた組には出番のないレースとなってしまい、結果13着での入線。デビュー戦の内容から、もう少しやれると思っていましたが、予想以上に厳しい結果となってしまいました。

そしてレース後、関係者と今後について協議した結果、レース間隔を空けながらも、馬体は一戦ごとに減り続け、成長力に欠ける現状を見ると、あと4ヵ月ほどとなった3歳未勝利戦のうちに勝ち上がるのは困難と思われます。今後のことを考えると、早めに決断し、新たなオーナーの下でリスタートをさせて上げた方が馬のためにも良いと判断し、今回のオークションに出品する運びとなりました。少ない期間でしたが、それでも1400、1700、1200m、また中京、小倉、阪神と、様々なコースや環境を試すことができた点は、今後のことを考えると、非常に有意義な時間だったかもしれません。体重が減りやすいタイプであることを考えると、レース当日に輸送のない競馬場の方が合っていると思います。

過去の病歴など、記載内容を十分に熟読、ご理解いただき、現状有姿、現状渡しのノークレーム、ノーリターンでお願いいたします。落札後の記載事項に関するキャンセル、落札から一週間以上経過後のキャンセルおよび価格交渉には一切応じられません。また、現状に不安がある方は現在厩場所で獣医検査を受けるなど、必ず事前に状態把握およびご納得をいただいたうえでのご入札を重ねてお願いいたします。

なお、現在以下の状態が見受けられます。
・右前蹄欠け
・グイ（さく癖）有り


※南関東4競馬場への転入はできません。

※島上牧場（滋賀県栗東市荒張）に在厩しており、預託料は10,230円/日（税込）です。
4月20日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：タマモ (株)（インボイス登録あり）