パワフルウィッシュ　Powerful Wish　　牝　３歳　　※地方競馬　在籍

父レッドファルクスは5歳時のCBC勝で重賞初勝利を果たすと、続くスプリンターズSで堂々G1馬の仲間入り。翌年の京王杯スプリングCでも勝利を収め、秋のスプリンターズSではサクラバクシンオー、ロードカナロアに続く史上3頭目の連覇を達成し、最優秀短距離馬のタイトルを手中にしました。引退後は2019年よりスタッドインしており、1年目に132頭、2年目にも117頭と交配する人気ぶり。母の全姉に最優秀2歳牝馬スティンガーがいる血統背景も頼もしく、自身は芝重賞4勝に加え、ダートでも4勝を挙げた“二刀流”と守備範囲の広さも大いなる魅力。昨夏の福島で新馬勝ちした初年度産駒のナックブレイブが2戦目のすずらん賞で2着、中山で勝ち上がったディナトセレーネがアルテミスSで勝ち馬から0.4秒差の6着に好走するなど、これまでに中央で9頭・地方で8頭が勝ち上がっており、産駒には柔軟性のあるスピードの継承が期待されています。

一方、母系はリードアジン（金杯3着）を産んだサイレージを5代母に、メイショウチェリオ（ゴールデンスパーTなど中央4勝）を産んだシアトルダンサーを4代母に持ち、メイショウドウサン（昇竜S2着、クローバー賞3着、朝日杯3歳S4着）らもこのファミリーの出身。おじに29戦連続して重賞に出走したメイショウカンパク（京都大賞典、福島記念2着、新潟大賞典3着）、境港特別など中央平地3勝のメイショウタカトラ、いとこに野路菊Sを完勝したロンや準OP馬ワールドスケール（猪苗代特別、唐戸特別）と活況を呈しており、母マスターコークは中央のダートで3勝を挙げています。

2022年12月2日の船橋・カトレアデビュー2歳新馬イ（ダ1000m）に出走。レース番組の都合上の選択となりましたが、レース前から「距離が延びて良さが出るタイプ。この距離に対応できるかどうかがカギです」と調教師が話していた通り、スタート直後から追走にだいぶ苦労した様子でした。結果は大きく離された4着でしたが、実戦経験の意味合いが強かったですので、全然悲観していませんでしたし、これから距離が延びた時が本番だというのが率直な感想でした。

そして次開催の12月18日、船橋・2歳選抜馬（ダ1500m）に続戦。出走7頭中、既に門別で勝利を挙げていた馬が2頭、残りの本馬以外の4頭は3着以内に好走した経験を持ち、さらに本馬が紅一点と、なかなかハードルの高いメンバー構成となりました。このメンバーを相手に上位争いができれば、初勝利は遠くないだろうと思っていたところ、絶好のスタートを切ることに成功。ダッシュを利かせてハナを奪う勢いでしたが、内から主張してきた馬がいた為、無理に競り合うことはせずガッチリと2番手をキープしました。その逃げ馬に騎乗していたのが矢野貴之騎手でしたので、そんなに無理なペースで流れる心配はなく、結果的にいい目標になったと思います。鞍上の和田譲治騎手もそう思っていたようで、3～4コーナーで相手は前の1頭と目論み、徐々に差を詰め、直線入口で早々と先頭を奪取。後続にこれといって猛追してくる馬もなく、直線半ばで勝利を確信するほどの強さでした。

その後はクラスが上がったこともあり、苦戦を強いられており、また連戦による疲れも溜まってきた様子。このあたりで一度リフレッシュ期間を設けることにし、所有馬整理の都合などもあって今回のオークションに出品する運びとなりました。
まだまだ粗削りで伸びしろのある3歳。父レッドファルクスとは対照的に、スタミナに光るものを感じるだけに、距離がもっと延びても対応できそうな雰囲気です。それに父は古馬になって本格化したタイプでしたので、真価を発揮するのはまだまだ先になるでしょう。スタートセンスがあり、先行力もありますので、コース形態や相手関係次第では1400mぐらいの距離でも対応できそう感じもありますし、レース経験を積み重ねることで、色々な面を見せてくれそうな予感があります。

【本馬についての現状説明】
前走後からリフレッシュ放牧に出しています。オゾン治療も完了しており、乗り込みも順調に行えているため、帰厩のスタンバイは整っています。まだまだ十分にやれる馬ですし、3歳と年齢も若いので、今後の成長が期待できることも間違いないと思います。（船橋競馬・林幻調教師）


※南関東4競馬場への転入が可能です。

※ゴリンファーム（千葉県香取市大根・相川牧場内）に在厩しており、預託料は8,800円/日（税込）です。
4月29日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：三嶋　昌春