ハクシンレガロ　　牝４歳　　※繁殖牝馬（空胎）

父エピファネイアは菊花賞で春惜敗の雪辱を果たし、翌年のジャパンCでは並み居る強豪を相手に大きく突き放す圧勝劇を演じてG1・2勝。種牡馬入り後は6年に亘って200頭以上への種付けが続く超のつく人気ぶりで、初年度から三冠牝馬デアリングタクトを筆頭にアリストテレス（AJCC、菊花賞2着）やイズジョーノキセキ（府中牝馬S）、クラヴェル（マーメイドS2着、エリザベス女王杯3着）らを輩出。そして2世代目からエフフォーリア（皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念）やテンハッピーローズ（ヴィクトリアマイル）、オーソクレース（菊花賞2着、ホープフルS2着）、ジャスティンカフェ（エプソムC、マイルCS3着）、3世代目以降もブローザホーン（宝塚記念）やサークルオブライフ（阪神ジュベナイルフィリーズ）、ダノンデサイル（日本ダービー）、ステレンボッシュ（桜花賞）といった有力馬が次々に登場するなど、今まさにトップサイアーとしての地位を築き上げつつあります。

一方、母系は米G1・BCスプリントの覇者Eilloを産んだBarbs Dancerを4代母に、米G1トップフライトHの勝ち馬Flat Fleet Feetを産んだCzar Dancerを曾祖母に持ち、ワイルドワンダー（根岸Sなど重賞3勝、南部杯2着、フェブラリーS3着）やマルターズヒート（フェアリーS、フィリーズレビュー2着）、マルターズアポージー（関屋記念など重賞3勝）らもこのファミリーの出身。半兄チュウオウペットは岩手で6勝、半妹グレイトクラウンは中央で勝ち上がっており、おじのグレイトフルタイムはアクアマリンSなど中央4勝を挙げ、重賞の舞台も経験しました。また、昨今のトレンドでもあるサンデーサイレンスのクロスが可能な点も繁殖牝馬として大きな魅力のひとつと言えるでしょう。

2022年10月にJRAよりデビュー。中山芝1600mで2戦を消化し、2戦目には上がり2位をマークするなど、素質の片鱗は見せていましたが、2戦とも14着という結果から、JRAで勝ち上がるにはまだまだ時間が必要と判断し、登録を抹消。岩手競馬へ移籍しました。すると、移籍初戦となった2023年3月14日の水沢・3歳C2二組(ダ1300m)で、7番人気ながらいきなり1着。最後の直線で左右の馬に接触する不利がありながら、怯むことなく、逆に狭いスペースを割って抜け出してきた走りは、本当に素晴らしいものがありました。

その後は続戦したものの、2023年4月23日の水沢・3歳C1一組(ダ1400m)に出走後、左前肢深管骨瘤を発症。半年間の休養を余儀なくされました。同年10月に復帰し、当初はブランクを痛感させられる結果となってしまいましたが、徐々に調子を上げ、実戦感覚も戻ってくると、迎えた復帰3戦目の12月24日の水沢・C2八組(ダ1300m)で4馬身差の圧勝。3ヵ月のシーズンオフを挟んだ後も好調を継続し、今年の4戦は2、3、5、5着といずれも掲示板に載りました。

ところが2024年5月7日の盛岡・C2二組(ダ1400m)に出走後、左前肢深管骨瘤を再発。さらに左前肢球節炎も発症してしまいました。その後は患部の状態を観察しながら、慎重に立ち上げ、調整を進めてきましたが、ペースを上げると球節が腫れてきてしまい、思うように調整が進まないという状況です。復帰の目処が全く立たず、また今後も再発する可能性が否めないことから競走生活に終止符を打ち、繁殖牝馬として今回のオークションに出品する運びとなりました。

先述の血統背景に加え、エピファネイア×ステイゴールド×Seeking the Goldと、いずれも超大物馬を輩出したトップサイアーで構成されたその豪華な血統背景は、繁殖牝馬としても大きな武器。今年はJRAサイアーランキングで3位につけるなど、トップサイアーの道を着々と歩んでいる父エピファネイアは、ブルードメアサイアーとしても期待が大きく、近い将来、“母の父エピファネイア”の需要が高まることは必至です。繁殖牝馬として素質を開花させる可能性は十分あると思います。

なお、過去の病歴など、記載内容を十分に熟読、ご理解いただき、現状有姿、現状渡しのノークレーム、ノーリターンでお願いいたします。落札後の記載事項に関するキャンセル、落札から一週間以上経過後のキャンセルおよび価格交渉には一切応じられません。また、現状に不安がある方は現在厩場所で獣医検査を受けるなど、必ず事前に状態把握およびご納得をいただいたうえでのご入札を重ねてお願いいたします。


※水沢競馬場・千葉幸喜厩舎（岩手県奥州市水沢区姉体町阿久戸）に在厩しています。預託料につきましては、サラブレッドオークション事務局にお問い合わせください。
10月12日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：新井原 博（インボイス登録あり）