アンカシャムローグ　Anka Seamrog　　牝　３歳　　※中央競馬　登録抹消

父マツリダゴッホは3歳秋以降に徐々に力をつけ、4歳時のAJCCで重賞初制覇。暮れの有馬記念では、単勝9番人気の伏兵ながらダイワスカーレットを下してG1初制覇を飾りました。他にも、オールカマー3連覇、日経賞勝ちと重賞6勝がすべて中山競馬場というスペシャリストとしても知られています。種牡馬入りしてからは、自身と同じ中長距離と得意とする馬だけでなく、前向きなスピードタイプも輩出。新潟2歳S、京成杯AH、スワンSと重賞3勝のロードクエストを筆頭に、ラジオNIKKEI賞を勝ったウインマーレライ、ファンタジーS勝ちのクールホタルビ、チャレンジC勝ちのマイネルハニーなどを送り出し、現3歳世代もリンゴアメが函館2歳Sに、ウインアグライアがコスモス賞、若駒Sに優勝しています。また、コスモリョウゲツ(盛岡・OROC)、コスモカット(佐賀・夏至賞)、コスモナーダム(名古屋・新春盃)といった地方競馬の重賞勝ち馬を輩出しているのも特徴です。母の父としてもナムラリコリスが函館2歳Sを勝ちました。

母系を見ますと、母アンカジャポニカは園田の1400mで2勝。全兄のシコウは新潟芝1400mで新馬勝ちしています。伯父には仏G3リス賞3着のブリタニックがおり、祖母アンカブリタニアは米G1トラヴァーズSなどを勝って種牡馬となったデピュティコマンダーの半妹という血統。一族には米G1アーリントンH勝ちのムルジャネなども名を連ねており、コンスタントに大物を送り出すファミリーとなっています。

本馬は2020年9月27日に中京芝1400mの新馬戦でデビュー。18頭立ての18番枠からの発走でしたが、ゲートの出も速く、楽に好位にとりつきました。ただ、終始外に張り気味の走りとなってしまい、馬群の内に入れることができなかったぶん、外を回ってロスの大きい走りに。そのぶん直線の伸びを欠いてしまい、18頭立ての16着に終わっています。
2戦目は京都芝1200m戦に出走。やはりスタートは抜群に速く、楽にハナに立ちましたが、2番手の馬が外にぴったり並んできて息が入りづらい展開となり、重馬場で馬場の悪い内をずっと走らされたこともあって直線は失速。11頭立ての7着に終わりました。それでも、初戦のように外へ張るようなところはなく、右回りの走りはスムーズでした。
3戦目はジョッキーの進言もあって京都のダート1200m戦に出走。今回もダッシュがついて先頭争いに加わり、内から主張してきた馬を行かせて2番手を追走。勝負どころの手応えも悪くはありませんでしたが、直線を向いてからはギアが上がらず、最下位の10着に終わっています。
その後はひと息入れて立て直し、年明けに復帰後は減量騎手を起用。スタートセンスの良さとダッシュ力を生かす競馬を続けていますが、なかなかラストが踏ん張り切れず、5戦目となる4月の新潟芝1200m戦ではオーバーペースがたたって最下位16着。タイムオーバーのため1カ月の出走制限を受けました。そこでもう一度間隔をあけて立て直し、前走は函館芝1200m戦に挑みましたが、好位追走から早めに手応えが怪しくなり16頭立ての14着に敗れ、この一戦を最後にオークション出品が決まりました。
抜群のスタートセンスとダッシュ力を秘めていながら、それを生かせていない現状。牝馬らしい繊細な面があるのか、カイバを食べてもそれがなかなか身に付かず、強い攻め馬ができないため、体力強化ができていないところがネックです。輸送がなく、滞在で競馬できる競馬場ならば、そうした面も少しずつ解消していけるはずで、新天地の環境に慣れていけば体力面の強化も図れるのではないでしょうか。本来のスピード能力を生かす意味でも、小回りコースは向いていると思いますし、変わり身を見せられる要素を十分に秘めた一頭です。


※南関東4競馬場への転入はできません。

※オカダスタッド（北海道沙流郡日高町字賀張）に在厩しており、預託料は6,600円/日（税込）です。
7月31日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：(株)ノルマンディーサラブレッドレーシング