フェイダウェイ　Fade Away　　牡　３歳　　※中央競馬　登録抹消

父トーセンジョーダンは未勝利から3連勝で共同通信杯に挑み2着。クラシック候補となりましたが、裂蹄の影響で出走は叶わず、休養を挟んで古馬になって本格化しました。4歳秋のアルゼンチン共和国杯で重賞初制覇を飾ると、5歳時にはAJCC、札幌記念とG2を2勝し、秋の天皇賞に出走。後方待機から直線で力強く追い込み、1分56秒1という驚異的な日本レコードでG1初制覇を飾りました。続くジャパンCでも2着に好走し、6歳時には天皇賞・春で2着、7歳時にジャパンCで3着と活躍を続け、8歳まで走って種牡馬入り。小倉2歳S2着のアズマヘリテージや、盛岡のイーハートーブマイルを勝ったセシールなどが好成績を残していますが、父が5歳以降に本格化したことを考えれば、産駒の本格的な活躍はこれからでしょう。JRAでの勝ち上がり数は芝よりもダートのほうが多く、地方競馬での成績も年々上昇しているように、力の要るダートを得意とする産駒が多いのも特徴です。

母系を見ますと、母タニノジャドールは笠松で初勝利を挙げたのち、JRAのダート1000mで2勝。半兄には菊花賞馬ビッグウィークがおり、その他の兄姉も平地、障害で3勝を挙げたタイセイジーニアスや佐賀で7勝を挙げたモンシェルなど堅実に走っています。伯父には神戸新聞杯を勝ったタニノクリエイトや新潟記念を勝ったタニノボレロがおり、祖母タニノブーケはデイリー杯3歳Sの勝ち馬。さらに溯れば、阪神3歳S3着のタニノムテキや、英国で種牡馬入りしたハムードなども同じ一族です。

本馬は2020年12月27日に中山芝2000mの新馬戦でデビュー。調教でも全体的に幼さを残す中でのデビュー戦となりましたが、スタートは互角に出て無理せずに中団馬群につけてレースを運びました。ただ、なかなか自分から進んでいこうとはせず、向こう正面に入ってからは促しながらの追走で、徐々にポジションを下げてしまい、4コーナーでは後方の位置取り。直線も反応できず、18頭立ての17着に終わりました。
2戦目は2月の東京芝2400m戦。やはり互角のスタートから無理なく中団につけましたが、促しても進んでいかない感じで、3コーナーでは少し置かれ気味の最後方まで後退。そのまま盛り返せずに最下位の16着に終わり、タイムオーバーのため1カ月の出走制限を受けています。
2カ月半ほど間隔をあけた3戦目には、船橋1400mの交流競走を選択。初ダートで砂を被って嫌がるようなところも見せ、なかなか進んでいかない感じは相変わらずでしたが、直線はぐんぐん差を詰めてきており、12頭立ての5着まで追い上げてゴール。上がり3ハロンは勝ち馬をコンマ3秒上回るメンバー最速をマークしており、相手関係もありますが、3戦目にして大きな進展を見せられたのは確かです。
4戦目の東京ダート1600m戦も3コーナーでは最後方という位置取りでしたが、そこまで前からは離されずに追走できており、ラストも脚を使って16頭立ての11着まで追い上げてゴール。砂を被る競馬にも慣れてきたところを見せてくれました。ただ、再び船橋に遠征した前走の交流競走では、ギアが上がらないまま13頭立ての11着と結果が出ず、なかなか幼さが抜けない現状からJRAでの続戦を断念してオークション出品が決まりました。
血統的にも奥手で、全体的に成長が遅い感じは否めませんが、調教では徐々に自分からハミを取るような前向きさも出てきており、進境が見られているのは確かです。それがなかなか実戦に結びつかないのがネックですが、そのあたりはキャリアを積むことで解消されてくるはず。牡馬にしては小柄で、以前は非力な面もありましたが、2カ月ほど休ませた前走は馬体を増やしてきており、ここからさらに心身ともにパワーアップしていけるのではないでしょうか。魅力的な牝系の出身で兄姉も走っており、あとは馬の覚醒を待つばかりです。


※南関東4競馬場への転入はできません。

※阿見TC内セグチレーシングステーブル（茨城県稲敷郡阿見町福田）に在厩しており、預託料は8,800円/日（税込）です。
7月31日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：(株)ノルマンディーサラブレッドレーシング