マルアドリアティコ　Mar Adriatico　　牡　２歳　　※地方競馬　在籍

父ハービンジャーは英国で生産、調教され、3歳4月にデビュー。3戦目にG3のゴードンSを勝って重賞初制覇を挙げると、4歳を迎えて一気に本格化しました。重賞を3連勝して挑んだKジョージ六世＆QエリザベスSでは、直線で一気に突き抜けて、2着の愛ダービー馬ケープブランコに11馬身もの差をつける圧勝。レース史上最大着差で、勝ち時計もレースレコードという圧巻の走りを見せました。その後は骨折もあり、この一戦を最後に引退、日本で種牡馬入りしています。産駒のデビューは2014年。初年度産駒の重賞勝ちはベルーフ(京成杯)のみでしたが、徐々に産駒の成績は上がり、3世代目からはペルシアンナイト(マイルCS)、モズカッチャン(エリザベス女王杯)、ディアドラ(秋華賞、ナッソーS)と3頭のG1ホースが誕生。その後もブラストワンピース(有馬記念)、ノームコア(ヴィクトリアマイル、香港C)といった一流馬を輩出しています。芝のマイルから中長距離を得意とする産駒が目立ちますが、ハービンマオ(関東オークス)といったダートの重賞勝ち馬も出ています。

母系を見ますと、半姉バルレッタはJRAの未勝利戦で2着。伯父にはきさらぎ賞、京都新聞杯2着のポルトドートウィユがいます。祖母ポルトフィーノは新馬、エルフィンSを連勝するなど3勝。そのきょうだいにはアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップ、フォゲッタブルといった一流馬が名を連ね、3代母はオークス、天皇賞・秋を勝ったエアグルーヴという血統。近親にもドゥラメンテ、オレハマッテルゼといったG1馬を筆頭に重賞勝ち馬が多数おり、先日のローズSを勝ったアンドヴァラナウトも同じ一族。ますます勢いを増す日本屈指の名牝系です。

本馬は2021年7月29日に門別1100ｍのフレッシュチャレンジでデビュー。8頭立ての3番人気の評価で、中団からしぶとく脚を伸ばしましたが、前の人気2頭からは大きく離された3着でゴールしました。上位2頭はその後の重賞、OPでも好走しており、相手が悪かったという印象です。
2戦目は1200ｍの未勝利戦に出走しましたが、ここはラストの伸びを欠き6着まで。それでも逃げ切った勝ち馬からは1秒差と大きく離されませんでした。すると、続く同距離の3戦目では10番人気の低評価ながら、4角先頭の積極的なレースを見せ、直線もしぶとい粘り腰を発揮。最後の最後で勝ち馬の決め手に屈してしまいましたが、タイム差なしの2着に好走し、脚抜きのいい馬場ながら時計も前走から3秒以上短縮。力を示しました。
この一戦のあと、両前、特に右脚にソエが出ており、歩様には出ていませんが、ショックウェーブ治療を3回ほど施して、触診痛を取り除きました。わずか3戦でのオークション出品となりましたが、一戦ごとに二の脚がしっかりしてきて、経験を積むごとに馬も力をつけている段階です。
まだまだ未来がある2歳馬で、母系も超一流。どれだけの伸びしろを秘めているのか想像もつきません。距離や条件も含め、どんな競走馬に育っていくのか。大きな可能性を秘めた原石と言えそうです。

【本馬についての現状説明】
まだトモに緩さがあるぶん、ラストの瞬発力に物足りなさは残りますが、これから力をつけ、そうした面も解消されてくるでしょう。（門別競馬・櫻井拓章調教師）


※南関東4競馬場への転入が可能です。

※坂東牧場（北海道沙流郡平取町川向）に在厩しており、預託料は7,150円/日（税込）です。
10月2日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：吉田　和美