アルコーン　Archon　　牡　　４歳　　※中央競馬　登録抹消

父トーセンジョーダンは未勝利から3連勝で共同通信杯に挑み2着。クラシック候補となりましたが、裂蹄の影響で出走は叶わず、休養を挟んで古馬になって本格化しました。4歳秋のアルゼンチン共和国杯で重賞初制覇を飾ると、5歳時にはAJCC、札幌記念とG2を2勝し、秋の天皇賞に出走。後方待機から直線で力強く追い込み、1分56秒1という驚異的な日本レコードでG1初制覇を飾りました。続くジャパンCでも2着に好走し、6歳時には天皇賞・春で2着、7歳時にジャパンCで3着と活躍を続け、8歳まで走って種牡馬入り。小倉2歳S2着のアズマヘリテージや、盛岡のイーハートーブマイルを勝ったセシールなどが好成績を残していますが、父が5歳以降に本格化したことを考えれば、産駒の本格的な活躍はこれからでしょう。JRAでの勝ち上がり数は芝よりもダートのほうが多く、地方競馬でも結果を出しているように、力の要るダートを得意とする産駒が多いのも特徴です。

母系を見ますと、母マリーシャンタルはJRAのダートで4勝。半兄ファントムライトは6勝を挙げて中日新聞杯2着など重賞でも活躍。半兄ランガディアはJRAの芝で5勝を挙げたのち岩手に移籍して赤松杯、シアンモア記念、みちのく大賞典と重賞3連勝を果たし、JRA勢相手のマーキュリーCでも3着に好走しました。その他のきょうだいも8頭がJRAで白星を挙げてうち6頭は2勝以上です。伯母はオークス、天皇賞・秋を勝った名牝エアグルーヴで、エリザベス女王杯連覇のアドマイヤグルーヴや、香港のクイーンエリザベス2世Cを勝ったルーラーシップ、高松宮記念勝ち馬オレハマッテルゼなどはいとこの関係。近親にも2冠馬ドゥラメンテなどの大物が多数おり、祖母でオークス馬のダイナカールから広がるファミリーは近代日本を代表する名牝系のひとつです。

本馬は2020年9月26日に中京ダート1400mの新馬戦でデビューしました。スタートはそこまで遅くありませんでしたが、その後のダッシュがひと息で後方へ。馬群から少し離された後方2番手の位置取りで3コーナーに入りました。ただ、そこから離されずに食らいついており、直線でステッキが入ってからは反応も示して15頭立ての10着まで追い上げてゴール。メンバー中3番目に速い上がりタイムをマークしています。
2戦目には11月の阪神ダート1800m戦を予定していましたが、ここは右前肢跛行のため出走取消に。骨などに異常はありませんでしたが、立て直して休養が長くなってしまい、初戦から約7カ月後の3歳6月に園田1400mの交流競走で復帰しました。久々もあって12頭立ての4番人気での出走となりましたが、好位で流れに乗ると、積極的な競馬で早めに先頭に立ち、食い下がってきた2着馬も最後は突き放して4馬身差で圧勝。上がりタイムもメンバー最速という完璧な内容で初勝利を挙げています。
昇級後は2戦連続で2桁着順に終わりましたが、暮れに出走した名古屋1400mの交流競走では1、2着馬には離されましたが、長く脚を使って追い上げて3着を確保。改めて地方競馬のコースへの適性を示します。ただ、そこから2カ月半ほどあけた年明け初戦の阪神ダート1400m戦では脚を使えずに16頭立ての14着。JRAの1勝クラスでは壁を感じさせる内容でもあり、今回のオークション出品となっています。
地方競馬の適性は証明済みで、小回りコースの短距離戦なら即戦力として戦ってくれるのは間違いありません。デビュー当初から着実に馬体重も増やし、トーセンジョーダン産駒らしい成長力を示していますし、これからキャリアを積みながら、徐々に血統の良さが出てくるのではないでしょうか。これといった悪癖も見られず、先々まで活躍が期待できる一頭です。


※2020年11月21日（2歳時）の競走にて右前肢跛行のため出走取消となっています。

※南関東4競馬場への転入はできません。

※辰美牧場（滋賀県栗東市荒張）に在厩しており、預託料は7,150円/日（税込）です。
3月5日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：中辻　明