カゼノタニノアヤカ　Kazenotanino Ayaka　　牝　６歳　　※中央競馬　登録抹消

父ロードカナロアは日本が誇る最強スプリンター。大事に使われながら力をつけ、4歳秋のスプリンターズSでG1初制覇を飾ると、暮れには香港に遠征し、日本馬初となる香港スプリント制覇の偉業を成し遂げました。翌年はさらに凄みを増し、春は高松宮記念、安田記念に優勝。秋にはスプリンターズS、香港スプリントの連覇も達成し、6つのG1タイトルを積み重ねて種牡馬入りしました。父となってからも期待を裏切ることなく、初年度産駒から3冠牝馬アーモンドアイが登場。その後もステルヴィオ、サートゥルナーリア、ダノンスマッシュ、ダノンスコーピオンといったG1馬を筆頭に、重賞勝ち馬を輩出。子供たちは短距離から長距離まで幅広い距離で活躍しています。また、兵庫チャンピオンシップを勝ったバーナードループ、JBCスプリントを勝ったレッドルゼルのようなダートの一流馬や、豪州でG1ブルーダイアモンドS勝ったタガロアのような海外での活躍馬も送り出しており、着実に大種牡馬への道を歩んでいると言えるでしょう。

母系を見ますと、半兄ボスキャラがJRA1勝ののち高知でA級を含む3勝を挙げ、重賞の大高坂賞で2着。その他のきょうだいも3頭が地方競馬で白星を挙げており、半妹エッセンスは高知で6勝を挙げています。母ペイパーチェインはフランスで2勝。そのきょうだいには欧州のリステッドレース好走馬が複数おり、祖母パパビーレも英国でリステッドレースを2勝しています。祖母の全兄には、英G1セントジェイムズパレスSやデューハーストSを勝ち、種牡馬としても成功したグランドロッジがおり、近親には欧米の重賞、リステッドレース勝ち馬だけでなく、南半球の重賞勝ち馬も名を連ねており、4代母マジックフルートはコロネイションSなどを勝った名牝です。

本馬は2020年4月11日に福島芝1200mの3歳未勝利戦でデビュー。好スタートからダッシュもついて先行争いに加わり、内枠だったこともあって強気にハナを主張しました。1馬身ほどのリードを保って直線を向くと、後続に内、外から追い上げられてプレッシャーをかけられましたが、最後までしぶとく粘り切って逃げ切り。経験馬を相手に初陣を飾りました。
勝ったあとは4カ月ほど休ませ、小倉芝1200mの筑紫特別に出走。初戦から一転して差す競馬となりましたが、馬群で周りを囲まれてもリズムは乱れず、集中した走りで追走しました。直線入り口で前をカットされるロスもありましたが、立て直してラストまでしっかり脚を使い3着でゴール。勝ち馬はオープンまで出世したクーファウェヌスで、そこから0秒5差で走れています。

その後も芝の短距離では安定して1秒差以内の競馬ができており、4歳6月からは6戦連続で掲示板を確保。その一方でなかなか勝ち切れないところもありましたが、昨年は夏の福島でダート1150m戦でも3着に食い込むなど違った一面を見せ、続く新潟の直線1000m戦では絶好の外枠から鮮やかに差し切って待望の2勝目を挙げました。
2勝クラスへの昇級初戦も、同じ舞台の飛翼特別に出走。ここは差を詰め切れずに14着に終わりましたが、それでも着差は0秒6です。その後、11月に中央の登録は抹消。高知競馬への移籍を検討し、乗り込みも再開していましたが、本質的には重くタフな馬場よりも、芝や砂質の軽い馬場向きでもあり、オークション出品の判断に至りました。

明け6歳の牝馬ですが、スピード能力に陰りはなく、まだまだやれる力を残しています。自分に適した舞台であれば、十分な活躍が期待できるでしょう。また、血統的なバックボーンのしっかりしたロードカナロア産駒ですし、サンデーサイレンス系とも配合しやすい血統構成ですので、繁殖候補としてもご一考いただければと思います。


※南関東4競馬場への転入が可能です。

※フォレストヒル（兵庫県南あわじ市灘仁頃）に在厩しており、預託料は11,000円/日（税込）です。
2月4日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：増田　和啓