レッドロムルス　Red Romulus　　牡　５歳　　※中央競馬　登録抹消

父は名競走馬にして名種牡馬のキングカメハメハ。2004年にNHKマイルCと日本ダービーを制し、史上初めて変則二冠を達成しました。故障により早期の引退を余儀なくされたものの、種牡馬としてアパパネ、ロードカナロア、ドゥラメンテ、ホッコータルマエ、レイデオロなど芝ダート、距離を問わず様々なカテゴリーでG1勝ち馬を多数送り出しており、2010年と2011年にはリーディングサイアーに輝きました。ロードカナロアやドゥラメンテなどの後継種牡馬も多くの活躍馬を輩出。今後もサイアーラインの枝葉は更なる広がりを見せることでしょう。また、ダービー馬ワグネリアンや三冠牝馬デアリングタクトなどの母の父としても有名で、ブルードメアサイアーランキングも2020年から3年連続で首位。もはや説明不要の大種牡馬です。

母系に目を転じると、母レッドクラウディアは早くからダートで頭角を現し、3歳5月の昇竜Sで牡馬を撃破。12月には船橋のクイーン賞（Jpn3）で、牡馬相手に羽田盃と東京ダービーを制した南関東の名牝・クラーベセクレタを4馬身突き放す圧勝劇を演じました。4歳時にはその年のJBCレディスクラシックを制するメーデイアと再三に渡って好勝負を繰り広げ、同年暮れに大井競馬へ移籍すると、5歳時に浦和のしらさぎ賞（S3）を勝利。牝馬ダート戦線で長きに渡って活躍しました。繁殖牝馬としても優秀で、本馬の他にルージュシェノン、ルージュイストリアも勝利を収めており、競走年齢に達した産駒が全て勝ち上がっているのは強調材料です。ブラックタイプを更に紐解くと、曽祖母のディアブロズストーリーはカナダのナタルマSを制覇。繁殖牝馬として日本に輸入され、デュアルストーリー、ディオスクロイ、アドマイヤベッカム、デュアルスウォード、デターミネーションなど、その産駒や子孫は主にダートを主戦場にして活躍しています。

本馬は栗東・安田隆行厩舎の所属として2歳7月と早期デビューを果たし、2戦目にダートへ転じて以降もコンスタントに出走を重ねてきました。9戦目となる3歳5月の新潟ダート1200mの3歳未勝利戦で待望の初勝利をマーク。1勝クラスでは苦戦が続いたものの、辻野泰之厩舎に転厩してから4戦目となる4歳6月の笠松・根尾川特別（地方交流・ダ1400m）で待望の2勝目を挙げました。スタートで躓いて落鉄する不利を克服しての価値ある勝利でした。ただ、2勝クラスに昇級後は苦戦を強いられ、地方交流競走で相手関係が緩和された前走でも勝ち馬から離されてしまった（6着）ことを受けて関係者の間で協議した結果、このタイミングで匿名組合契約を終了し、今回のサラブレッドオークションへ出品の運びとなった次第です。

2戦目のレース後に息遣いの悪さを騎手から指摘され、その後もなかなか症状が改善されなかったことから、放牧先で何度か内視鏡による検査をおこないました。2021年1月26日（3歳時）に運動時内視鏡検査（OGE）を実施した結果、喉頭片麻痺の所見はなかったものの、DDSPをはじめとしたいくつかの疾患が判明（そのため、DDSPのグレード表記はできません）。単なるDDSPではなく複合的な疾患で、DDSPの手術をしても症状が改善される見込みは薄かったため、主に舌縛りで対処しつつ、うまく付き合っていく形で競走生活を送ってきました。厩舎サイドの話によると、症状に関しては調教、レースにかかわらず日替わりといったところで、角馬場でダクを踏んでいる段階から鳴っている時もあれば、止め際になって鳴る時もありました。また、全く症状が出ない日もあったとのこと。DDSP特有のゴロゴロと鳴ることもあれば、ヒューヒューと鳴ることもあったそうです。喉の疾患に関しては、今後も舌を縛るくらいしか打つ手はないと思われます。

ただ、獲得賞金額が少ないため、地方競馬へ移籍するとJRA2勝クラスからの転入としては格付け的に概ね有利になりそうなのは大きな魅力。現状では南関東4競馬場への転入はできませんが、他場で賞金をあと120万円近く加算すれば可能になります。また、脚元については大きな故障やトラブルは一度もありませんし、性格も真面目で、これまでも調教やレースで一切手を抜くことなく一生懸命に走ってくれました。前述のような喉の疾患を抱えながらも21戦のキャリアを積み上げてきましたから、今後もコンスタントに出走を重ねて堅実に賞金を稼いでくれるのではないでしょうか。母に重賞勝ち馬を持つ良血馬ですし、地方競馬における馬場適性も証明済み。新たなオーナー様の元、地方競馬の舞台で活躍してくれることを願ってやみません。

なお現在、全身に皮膚病の症状が見られます。また、落札後のキャンセルには一切応じられません。現状渡しのノークレーム、ノーリターンでお願いいたします。特に喉の疾患に関しては上記の説明文から十分にご理解いただき、不安がある方は現地で獣医検査を受けるなど、必ず事前に状態を把握し、ご納得いただいたうえでのご入札を重ねてお願い申し上げます。


※さく癖があります（軽度）。

※2021年2月23日（3歳時）に放牧先で左前の裂蹄を確認しています（歩様の乱れなどがなかったことから程度は軽く、蹄鉄を打ち替えるなどの処置をおこない、騎乗調教は休みませんでした。翌週から強めの調教を再開し、その後は再発していません）。

※2021年1月26日（3歳時）に運動時内視鏡検査（OGE）を実施し、DDSPをはじめとしたいくつかの疾患が判明しています（喉頭片麻痺の所見はありませんでした）。

※南関東4競馬場への転入はできません（年内116.6万円の賞金獲得で転入可能）。

※島上牧場（滋賀県栗東市荒張）に在厩しており、預託料は9,680円/日（税込）です。
3月25日（土）より落札者様の預託料負担となります。


販売申込者：(株)東京ホースレーシング